研究課題/領域番号 |
17K16522
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
篠原 孝也 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 研究員 (90751735)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 膵島移植 / 膵島 / 透明化 |
研究実績の概要 |
不安定な1型糖尿病の治療法として近年日本でも膵島移植が注目されている。膵島移植は門脈を介した移植のため、膵臓移植と比べて非常に侵襲性の低い細胞移植療法であり、欧米ではすでに標準的な治療法となっている国もある。一方で、膵島移植の課題の一つに門脈注入後の低い膵島の生着率があり、その原因・メカニズムの解明が必要であるが、門脈注入後は移植された膵島を直接観察できなくなることが大きな障害になっている。 そこで、近年大きな発展を遂げている臓器の透明化技術に着目し、センチメートル単位で観察可能なシートレーザー蛍光顕微鏡と併せて用いることで、マウス肝 臓内部を可視化し、マクロ視野および微細構造の双方で3次元構造を保ったままで詳細な観察が可能になった。本研究では移植後膵島を3次元的に観察し、膵島の 全体分布、生着、炎症、血管新生、免疫反応、膵島数の増減を経時的に検証を行う予定である。 平成30年度においては、本研究の基礎的な手技でもある「マウス膵島の単離法」について更に改良が加えられ、一度に単離できる膵島数を大きく増加させることができるようになった。 また、本年度は「PFAによる固定」と「TriotnX-100による組織の透過」を調節することで「肝臓の透明化と移植したGFP膵島の観察」を安定的に実現することが可能となった。加えて、かねてより課題とされていた「透明化臓器の免疫蛍光染色」に関しても染色法を確立し、強い再現性を得ることができるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度はまず本研究の基礎的な手技でもある「マウス膵島の単離法」と「単離した膵島の移植法」に関してプロトコルの見直しを行い、手技の均一化とその 再現性を高めることを目標として研究を行っていたが、どちらの課題においても進捗が見られ、概ね目標を達成できたため。
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今後の研究の推進方策 |
具体的な方法としては、経門脈的に移植された膵島の挙動や変化を時間軸を追って観察するため、移植後急性期~長期にわたってGFP膵島移植マウスを作成し、 経時的にサクリファイスしたGFP膵島移植マウスより肝臓を採取する。採取した肝臓は内部を3次元的に観察するため肝臓全体を透明化し、ライトシートレーザー蛍光顕微鏡を用いて、肝臓内のGFP膵島の分布と移植後の膵島およびその周辺領域の経時的な変化を観察することを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は、国際学会への参加を見送ったため旅費による研究費の使用が予定していた分よりも少なかったため。
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