研究課題
若手研究(B)
CD44v9高発現群57例は低発現群147例と比較し、有意に予後不良であった(全生存率p=0.001,無病生存率p=0.001)。治療前生検標本におけるCD44v9高発現群14例は低発現群15例と比較し、有意に組織学的治療効果が低かった(p=0.025)。CD44v9高発現胃癌細胞株(MKN45・NUGC4)においてCD44v9発現をknockdownすると、細胞内のGSH levelの低下とROS levelの上昇を伴い、5-FUに対する薬剤感受性が上昇した。
消化管外科学
CD44v9発現は癌の浸潤・転移に関わるだけでなく、薬剤の組織学的治療効果と有意に相関していた。細胞株の実験において、CD44v9は細胞内のROSを制御することによって、5-FUの薬剤感受性に影響を与えている可能性がある。以上より、胃癌におけるCD44v9発現は化学療法感受性バイオマーカーとなりうる可能性が示唆された。