研究課題/領域番号 |
17K16570
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
有馬 浩太 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (10792616)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 慢性炎症 / 癌幹細胞 / 全トランスレチノイン酸 / 膵臓癌 |
研究成果の概要 |
慢性炎症は様々な癌において発癌・増殖因子であり、抗腫瘍免疫や癌幹細胞など様々な細胞に影響を与えるが、治療薬開発など臨床応用にまでは至っていない。本研究では、慢性炎症において重要な役割を担う膵癌幹細胞マーカーを同定し、膵癌幹細胞分画の拡大を介して腫瘍増殖をきたす新規メカニズムを同定した。さらに慢性炎症などの影響でプロスタグランジンE2が蓄積した膵癌症例には白血病で既に治療薬として用いられているATRA(全トランスレチノイン酸)が有効な可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
消化器外科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は最も難治性の消化器癌の1つであり、有効な抗がん剤治療は数少なく効果も乏しいのが現状である。本研究では、慢性炎症に起因したATRAの枯渇を介した膵癌増殖の新規メカニズムを明らかにした。ATRAが白血病治療薬として使用されるようになってから白血病治療は劇的に進化したが、固形癌においては未だ有効な効果が得られた癌腫はない。本研究で明らかにしたようなメカニズムの影響が強い膵癌症例に限定することで、ATRAが膵癌に対して有効な新規治療薬なり得る。
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