肺癌の胸膜浸潤は術後病理診断により確定するが,術前・術中に診断できれば術式選択を含む治療方針決定に役立つ.共焦点レーザー内視鏡(Confocal Laser Endoscopy:CLE)が,肺癌の胸膜浸潤診断の精度向上に有用であるか検討を行った.CLEで正常胸膜を観察すると,臓側胸膜の外弾性膜に一致する微細な網目状構造を確認でき,胸膜浸潤部ではこの網目状構造の消失を認めた.胸膜変化を認める35例の肺癌手術症例を対象に,CLEで胸膜浸潤診断を行った.CLEを用いた胸膜浸潤診断は,感度100%,特異度93%,正診率75%であり,CLEは有用な手段と考えられた.
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