悪性神経膠腫には、高率にイソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)遺伝子変異を有し、同変異は2-ヒドロキシグルタル酸(2-HG)という代謝物を産生する事が腫瘍化の原因にと考えられている。しかし、IDH変異を有する悪性神経膠腫は予後良好である。2-HGの産生を抑制するIDH変異阻害剤が盛んに研究されているが、我々は2-HG は腫瘍細胞内ミトコンドリアにシャトルされ蓄積する事で、腫瘍細胞のミトコンドリア機能異常を来すと想定しており、2-HGを抑制することは腫瘍細胞に取ってはプラスに働く可能性がある。期間中には確信には迫れなかったが、新しい治療バラダイムをもたらす重要な研究と位置づけられる。
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