AQP1は脳腫瘍の領域においては、腫瘍の浸潤能や遊走能に関わる、AQP1の発現量と神経膠腫の悪性度が比例するなどの機能が報告されている。本研究は、悪性神経膠腫細胞におけるAQP1の発現意義および細胞機能への影響を解明し、AQP1の発現を制御することで新たな治療戦略としての可能性を見出す試みである。 ヒト由来glioblastoma細胞株および血管内皮細胞株を用いて、AQP1の発現が腫瘍細胞の性格や血管新生能に及ぼす影響を検討した。AQP1の過剰発現により腫瘍細胞の遊走能・浸潤能は亢進し、血管内皮細胞の管腔形成も変化させた。またAQP1の過剰発現は腫瘍細胞においてTHSD7Aの発現量を低下させた。
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