慢性疼痛には国内全人口のうち約15%もの人々が罹患しており、疼痛の病態解明と治療法の確立は社会的にも大きな課題である。疼痛研究には、痛みの感覚を生み出す知覚神経細胞の培養系が大いに役立つと考えられる。幹細胞から分化誘導した知覚神経細胞を効率的に集めて培養することができれば、疼痛研究の進展に大いに資することができる。そこで、知覚神経細胞の分化過程に必須の遺伝子の発現を蛍光タンパク質で可視化し、FACSによって知覚神経細胞のみを集めて濃縮することを目指した。緑色蛍光タンパク質の遺伝子を幹細胞のゲノムに挿入し、このゲノム改変幹細胞から神経細胞を分化誘導し、FACSによる細胞選別を行うことに成功した。
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