一般的に人工呼吸中に無気肺の発生は8割を超えると言われている。肺胞リクルートメント手技は、無気肺を予防もしくは解消する策の一つであり虚脱した肺胞を膨張させる簡便で実用的な手技である。ただし、この重要な手技の及ぼす効果は、肺に重度の障害のない患者における全身麻酔中の人工呼吸中は評価困難である。本研究では、強制オシレーション法を用いて、肺胞リクルートメント手技による呼気相の呼吸抵抗の変化を調査した。結果は、5ヘルツでの呼吸抵抗(R5)は低下し、一回換気量が増加したという結果になった。肺胞リクルートメント手技によって含気が増加することで気道が拡張し、呼吸抵抗は低下したと考えられる。
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