研究課題/領域番号 |
17K16773
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
藤山 信弘 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (90603275)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 移植医療 / 腎移植 / 組織適合性 / HLA / KIR |
研究成果の概要 |
腎移植には移植を受けるレシピエントと、臓器を提供するドナーの組織適合性評価が必須である。これによりレシピエントとドナーの免疫学的なアロ応答性を予測する。自然免疫に関与するHLA受容体・KIRにも多様なレパートリーが存在するが、既存の移植前適合性評価はほとんど実施されていない。そこで、自然免疫系のレシピエント・ドナー間の組織適合性を評価することにより腎移植予後への影響を後向きに探索した。結果として、レシピエントKIR遺伝子ハプロタイプにより発がん頻度に違いがあること、特にHLA-Cw座をリガンドとする活性型KIRの保有群において傾向が見られた。
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自由記述の分野 |
移植免疫
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の腎移植医療は良好な治療成績を示し、長期QOLを得ることが大きな課題となっている。しかし、腎移植後の悪性腫瘍による死亡率は15%と高く(罹患率は健常人3 倍いじょうとされ)、増加傾向にある。本研究はレシピエントKIR遺伝子ハプロタイプが悪性腫瘍発症リスクを客観的に把握できる極めて重要な指標となりえることを示唆した。また、特定のウイルス感染リスクとも強く関連する可能性もある。現在の腎移植における免疫学的な適合性評価にKIR遺伝子は含まれていない。移植後重大合併症を回避するための治療戦略としてKIR-HLA適合性の重要性を提唱する。
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