本研究は、前立腺血流低下に伴う前立腺肥大症発症の分子機構を活性酸素種に着目して明らかにすることを目的とした。前立腺肥大症治療薬PDE5阻害薬タダラフィルは血管拡張作用を有し、前立腺肥大症を伴う排尿障害の治療薬として用いられている。前立腺過形成モデルである自然発症高血圧ラット(SHR)に対してタダラフィルを慢性投与したところ前立腺血流量低下、前立腺重量の増大や腺上皮中心の形態変化及び過形成を改善した。また、タダラフィル慢性投与により、SHR腹側前立腺レベルでの活性酸素種及び細胞増殖因子の抑制がみられた。以上より、活性酸素種が前立腺重量増大や前立腺過形成に関与することが考えられた。
|