CDDP耐性癌細胞ではMUC1C蛋白の発現亢進を認めていた。抗癌剤耐性機構のメカニズムとして、PI3K/AKT経路活性化による薬剤排出蛋白MDR1の亢進、および細胞膜マーカ―CD44v9発現亢進から示唆される癌細胞の幹細胞化によって酸化ストレス防御機構の増強された結果、CDDP投与後のROS産生低下が原因と思われた。siRNAの導入により、MUC1Cをknock downさせることで癌シグナル伝達を抑制し、抗癌剤感受性の回復が示唆された。MUC1C阻害薬GO-203はCDDPとの併用により、抗癌剤感受性の回復に寄与する事から、GC治療抵抗性患者に対する新規治療薬になりうると思われた。
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