本研究は、胞状奇胎組織-患者間のABO血液型適合性と、続発症(侵入奇胎)発症リスクの関連を検討することを目的として行った。129例の奇胎組織と患者血液を用い、リアルタイムPCRを用いた高解像度融解曲線分析によってABO血液型の遺伝子型を同定した。患者血液型による続発症発生率はAB型>A型・B型>O型の順で高い傾向にあった。奇胎組織―患者間のABO血液型適合性は、73%が適合、26%が不適合であったが、適合性によって続発症の発生率は有意差を認めなかった。胞状奇胎患者のABO血液型は続発症と関連する傾向にあるが、その機序として血液型不適合による免疫学的拒絶反応は直接関連していないことが分かった。
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