研究課題
若手研究(B)
本研究では切迫早産の病態に腸内細菌と免疫系が関連していると考え、切迫流早産妊婦の腸内細菌叢の解析を行った。その結果、正常妊婦と比較して、統計学的に異なる細菌叢構成であることが示された。細菌種別の比較においても切迫流早産群と正常妊娠群で有意差のある菌が存在した。制御性T細胞誘導17菌のうち本解析では4菌が確認されたがいずれも2群間で有意差は無かった。さらに、患者末梢血からリンパ球を抽出してフローサイトメトリーで解析する測定系を確立した。
産科
早産の原因は多様であるが、早期の流早産では感染症によらない胎盤の炎症が関連していることが推測されている。本研究の結果から切迫流早産妊婦は正常妊婦と異なる腸内細菌叢を有することが示された。腸内細菌叢の違いは免疫系や代謝系に影響を与えることが知られており、本疾患の病態にも影響を与えている可能性が示唆される。今後、腸内細菌叢解析と免疫系解析を組み合わせることにより本疾患の病態解明につながることが期待される。