研究課題
若手研究(B)
生後の聴覚可塑性におけるOtx2の役割を明らかにするため,Cre-loxPシステムを用いて時期特異的なOtx2欠損マウスの作製を行った。また生後発達期において,臨界期が形成される前後ならびに臨界期中のマウス大脳皮質聴覚野を用いて,次世代シークエンサーによるRNA-Seq解析に使用できる品質および量のRNAを抽出することができた。このRNAを用いて,生後発達依存的な遺伝子発現プロファイルの解析をおこなっている。
神経科学
聴覚可塑性の仕組みが解明され,その開始を司る分子が明らかになれば,人工内耳の適用基準の改善や基準に新たな根拠を提供できる。さらに可塑性の再活性化が可能となれば,この原理をもとに人工内耳や聴性脳幹インプラントによる治療,リハビリテーションをさらに発展させることができる。本研究で可塑性のコントロールが可能になれば,将来的にはこのような聴神経や聴覚中枢の障害を修復し,脳の機能を再建する治療法の開発へも繋がる可能性を秘めている。