眼窩疾患の治療は、限られた術野で三次元的に複雑に入り組んだ解剖を持つ眼窩骨へのアプローチが必要となり、手術に伴う視力障害や眼球運動障害、髄液漏など術後合併症のリスクが伴う疾患である。眼窩内腫瘍摘出を眼科で行える施設は全国でも限られており、施設によっては脳神経外科で眼窩手術が行われている。その場合、多くは前頭側頭開頭術が必要になり、患者への負担は大きい。眼窩骨の骨切除術を併用することで腫瘍を摘出する、低侵襲な手術を行っている。眼科で容易に使用できる汎用性の高いナビゲーションシステムがあれば、現状よりさらに多くの施設で安全な眼窩手術が行えると考えられ、患者もその地域で医療を受けることが可能となる。
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