真皮深層レベルの熱傷(deep dermal burn: DDB)や褥瘡は、壊死組織を伴う皮膚の損傷であり、長期治療期間と多大な負担を要する。壊死組織除去、抗菌作用および創傷治癒促進を全て同時にできる治療は、現在のところ存在せず、新たな治療法の確立が求められる。 スフィンゴシン1-リン酸(S1P)は、炎症、免疫、血管新生などに関与する重要な脂質メディエーターであり、 マクロファージの動員や分化を調節する。創傷の治癒において、S1Pの有効性を検討し、創治癒や血管新生の促進を確認する事ができた。今後新たな治療薬としても期待される。
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