敗血症下の心臓ではサイトカイン過剰産生による血管内皮細胞傷害が生じ、筋小胞体Ca2+放出チャネルの構造不安定化による細胞質Ca2+過負荷が心筋障害を生じると考えられている。インテグリンの強発現が小胞体上のCa2+放出チャネルのリアノジン受容体の構造を安定化させ心筋細胞内のCa2+過負荷を抑制することが報告されている。リポ多糖を20mg/kgのDoseで10週齢のオスのインテグリンα7β1D 強発現マウスと同腹仔コントロールマウスに投与して敗血症モデルを作製したところ、インテグリン強発現マウスにおいて生存率が改善し、心筋障害が抑制されていた。その機序として小胞体ストレスの減弱が考えられた。
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