ジルコニアと陶材間の化学的結合状態を詳細に解析し,結合強さの向上と安定の得られる焼成条件を追求することで,補綴装置製作時の新しい焼付方法を確立することを目的とした.科学結合に関与する元素を特定し,その科学結合組成を解析することで,より強固な結合が得られるように陶材の成分改変を試みることが可能となったり,従来の焼結温度よりより良い焼結温度がどのような影響を及ぼすかなど,ジルコニアと陶材の焼付機構の構造改変の一助となり得る.このことは,オールセラミッククラウンにおけるジルコニアと陶材の結合強度の向上や口腔内での長期安定に寄与することができ,極めて予知性の高い歯冠修復が可能となると考えている.
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