ヒト培養線維芽細胞に様々な濃度のリドカインを投与し、投与後の神経成長因子(nerve growth factor: NGF)発現量の変化、細胞増殖能の変化、細胞形態変化および細胞遊走能について経時的に観察した。高濃度リドカインを投与した群では、投与後の線維芽細胞の形態変化が見られ、細胞増殖抑制が認められた。瘢痕形成に関わる筋線維芽細胞へリドカイン投与すると用量依存的に細胞増殖が抑制され、高濃度投与によりアポトーシス誘導を認めた。周術期疼痛管理と並行しつつ良好な創傷治癒をコントロールするためにリドカインが有用である可能性が示唆された。
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