顎顔面口腔領域に病変を生じる遺伝性疾患においては、その発症機構や診断・治療法が十分に確立されていない。本研究では基底細胞母斑症候群(NBCCS)をモデルとしてNBCCS疾患特異的iPSCの樹立に成功した。さらに、本疾患の主要な症状である顎骨多発嚢胞の発症機序を明らかにする目的で、NBCCS-iPSCを上皮細胞に分化誘導し健常人iPS由来のそれと比較することで、NBCCS-iPSC由来上皮細胞は増殖能が高いことを明らかとした。本研究より得られる知見は、顎顔面口腔疾患の病態解明や発症機序の解析、さらには治療法の開発研究に寄与するものと考えられる。
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