研究課題
若手研究(B)
エナメル上皮腫由来細胞はTNF-αを産生し,さらに外的 TNF-α の刺激によって NF-κB を介した骨吸収性因子 IL-6, MMP9 の発現が誘導されることからエナメル上皮腫の増殖,浸潤,細胞死にはオートクライン機構を介した様々なシグナル伝達を経由する分子標的蛋白が関与していることが考えられる.EGFR 経路はJAK/STAT 経路に何らかの影響を与え,相乗的に細胞が障害され,細胞死が起こる可能性が示唆された。
口腔外科学
エナメル上皮腫は良性歯原性腫瘍であるが,高度の浸潤能のため,高い再発率を有することが知られている.初代培養を行っても,長期培養が難しく,樹立された細胞株も少ないため,分子生物学的メカニズムは不明な点が多い.今回の研究によってエナメル上皮腫の増殖,細胞死に関与する新規細胞シグナル機構を解明することができれば,それら経路の阻害をターゲットとした新しい治療法の解明につながる可能性がある.