研究課題/領域番号 |
17K17273
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高橋 望 熊本大学, 医学部付属病院, 非常勤診療医師 (60779172)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | tRNA修飾 / 口腔癌 / 臨床検体 / 質量分析 / SAS / 抗がん剤 / 5-FU |
研究成果の概要 |
本研究では口腔扁平上皮癌においてtRNA修飾が与える影響を解明することを目的とした。口腔扁平上皮癌患者の臨床検体を用いてtRNA修飾の網羅的解析を行った。その結果、ある修飾において腫瘍部が周囲正常組織と比較して優位に増加していることがわかった。また臨床データではT分類、stage分類と統計学的に優位な正の相関関係を認めた。さらに口腔癌細胞株を用いて同修飾の修飾酵素を抑制したところ、増殖能の低下を認め、抗がん剤に対する感受性が増大する傾向にあることが示された。以上の結果より、同修飾はOSCCにおける新規診断、治療法の標的となる可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
歯科口腔外科学分野
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔癌は世界的にみても主要な悪性腫瘍の1つでありその80%以上をOSCC が占めている。近年の診断・治療法の進歩にも関わらず、5年生存率に大きな改善はみられていない。その原因として、高転移能、治療抵抗性など腫瘍制御の障壁となる悪性形質をもつ腫瘍細胞が存在していることが挙げられる。tRNA修飾は、迅速かつ正確なタンパク質翻訳に寄与していることが示唆されており、近年様々な疾患との関連性が示唆されている。しかしながら、tRNA修飾とOSCCの発生・進展との関わりについては未解明なままであり、新たな知見を得ることは現在まで大きな改善を認めていない治療成績の向上に寄与することが期待される。
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