全身麻酔時には、舌根が気道を閉塞するような、上気道閉塞といわれる病態を作り出す。その病態は時に致死的な転帰を辿る。血中二酸化炭素(CO2)濃度の上昇により動脈血液中のpHが低下すると、呼吸リズムを変化させることが知られている。 本研究の目的は、頸動脈灌流標本を用いて、呼吸リズムの変化が、上気道閉塞に対して、どのように関連しているのかを調べる事であった。 結果は血中二酸化炭素(CO2)濃度の上昇により、上気道を構成する各筋群が先行して活動することにより、効率的な上気道の開存性向上、協調を取ることが示された。高二酸化炭素血症を改善する効率的かつ生体変化に合目的な変化である可能性が示唆された。
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