ヒト初代培養歯根膜細胞において、胃粘膜保護薬剤テプレノンは熱ショックタンパク質であるGRP78の発現を増強し、細胞増殖には影響を与えない一方、細胞遊走を亢進させることが示唆された。また、テプレノン刺激によるGRP78の強発現が起点となりangptl4やアンフィレグリンの産生が促進されることを見出した。さらに、アメロジェニンが添加されるとIL-8やIL-6による強力な血管新生が誘導される可能性も明らかにした。 以上のことから、テプレノンとアメロジェニンの混合刺激は創傷治癒に適した環境を創出する可能性があることから、新しい歯周組織再生療法の開発に対して一助を担うことが期待される。
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