転写因子Nrf2は細胞の酸化ストレス耐性に関わることが知られている。細胞が酸化ストレスに曝されると活性化したNrf2が核内に移行して炎症性サイトカイン産生を抑制する分子を発現し、抗炎症および抗酸化効果に寄与する。一方、歯肉上皮は歯面と緊密に接着して口腔細菌の侵入を物理的に防ぐとともに、感染部位に遊走してきた好中球由来の各種活性酸素が殺菌効果を示す。しかし、過剰な活性酸素は細胞障害を惹き起こす酸化ストレスとなるが、歯肉上皮におけるNrf2の機能については十分に解明されていない。本研究では、歯肉上皮細胞を用い、酸化ストレスとして過酸化水素で刺激した時のNrf2の挙動解析と標的遺伝子について調べた。
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