5年以上の臨床経験がある看護師に対して、がん患者とのコミュニケーションをとるときの視線を視線計測機器EMR-ACTUSを用いて計測した。そして、視線計測終了後、がん看護関連領域における臨床経験 視力、視力矯正用具の使用状況、コミュニケーションの中で沈黙の時に感じることや「看護師のコミュニケーションスキル測定尺度」を用いてアンケート調査を実施した。その結果、対象者の各AOIの注視時間の割合の平均は、両目が30.5%と、最も高く、次いで、鼻、口元であり、注視時間のうち45%が顔を見ていたことが示された。また「沈黙」の時に感じることについては、患者の発言を待つ時間ととらえている看護師が多かった。看護師のコミュニケーションスキル尺度の平均点は73.9点であった。先行研究において、同様の尺度を使用した研究では、学生の平均点は54.9点であり、臨床経験5年以上の熟練看護師のコミュニケーションスキルが高かった。
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