研究課題
若手研究(B)
癌の蔓延の過程では、様々な浸潤様式が存在する。 1つは圧排性増殖型の浸潤であり、癌細胞集団がその増殖と共に徐々に拡大する。もう1つは癌関連線維芽細胞(CAF)を含む間質細胞との相互作用によって促進される、より広範となる浸潤である(播種型の癌)。本研究では、CAFが胃癌細胞において一定数のアポトーシスを誘導し、それが癌細胞による圧排性増殖型の浸潤を防ぎ、代わりにCAF主導の広範囲の浸潤を促進することを示した。
腫瘍生物学
圧排性増殖型の浸潤癌は癌患部の切除によって根治可能である。一方、播種型浸潤の癌における予後は良くない。これらの浸潤型の選択メカニズムは不明であった。本研究では、世界に先駆けてこのメカニズムに注目し、その成果を論文報告した。今後、播種性浸潤の抑制に繋がる研究を進め、癌治療へ繋げることを目指している。