研究課題/領域番号 |
17K17637
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
血液内科学
腫瘍生物学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大島 渚 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (20791932)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | EBV陽性DLBCL / DNAメチル化 / メチル化アレイ |
研究成果の概要 |
EBウイルス陰性DLBCLは全例が高メチル化形質を示した。一方、EBウイルス陽性DLBCLでは、背景の免疫不全の有無でDNAメチル化形質が大きく異なり、免疫不全下に発症したEBウイルス陽性DLBCLは全例低メチル化形質を示し、免疫不全の背景のないEBウイルス陽性DLBCLでは、EBウイルス陰性DLBCLにはない超高メチル化形質が認められていた。 この結果を遺伝子発現の結果と併せると、DNA超高メチル化の標的遺伝子が免疫不全の背景のないEBウイルス陽性DLBCLの難治化の原因になっていると考えられた。現在いくつかの遺伝子について過剰発現細胞等を用いてその機能と難治性形成の機序につき検討中である。
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自由記述の分野 |
血液内科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EBウイルス陰性DLBCLは既存のR-CHOP療法で高率に治癒するのと比較して、EBウイルス陽性DLBCLは強度を上げた化学療法を用いても治療抵抗性である。本研究ではEBウイルス陽性DLBCLが免疫不全の背景の有無により異なるDNAメチル化形質を有し、それにより発症メカニズムも異なっていることを初めて証明した。 エピゲノム異常を適切に制御することで抗腫瘍効果を発揮する、DNAメチル化阻害薬等を既存の化学療法に加えて投与することにより難治性悪性リンパ腫の病勢コントロールに繋げられるような新規治療法の開発につながることが期待されるため、本研究は高い社会的意義を有すると考えられる。
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