研究課題
若手研究(B)
造礁サンゴの骨格はアラゴナイト(カルシウム炭酸塩)で作られている。本研究では造礁サンゴと共生している褐虫藻が骨格形成に与える影響を検討した。アラゴナイトの多形であるカルサイトが形成されやすい海洋化学組成でサンゴを飼育した結果、褐虫藻がいないと海水環境の変動が直接反映されるようにカルサイトが形成されやすくなった。またアラゴナイトが形成されやすい海水でも、少量のカルサイトを形成する場合があった。
鉱物学
造礁サンゴは三畳紀には出現し、現在までの生存している動物である。造礁サンゴは褐虫藻と共生関係にあり、その関係がサンゴの成長を支えていると考えられている。褐虫藻について着目した本研究では、褐虫藻がサンゴの骨格形成に関係していることを明らかにした。今後、サンゴ骨格の化石の研究と合わせることで、共生の進化過程の解明に貢献することが期待される。