量子論の非局所性に関する研究は2022年のノーベル物理学賞にも選ばれた。量子論の非局所性を操作的に意味のある要請から導出することは自然科学としての量子論の礎に関わる非常に重要な研究課題である。本研究では非局所性の強さと古典通信複雑度の間に成立する不等式を導出した。これは非局所性を操作的な視点から理解するという意味で意義がある。また一方で、本研究で研究した非適応的測定型量子計算は定数段の量子回路で記述できるので、近年開発されているノイズが強い量子コンピュータでも実行が比較的容易である。近い将来実現する量子コンピュータで有用な計算をするために意義のある研究だと考えている。
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