当研究室では、胃粘膜液中でαGlcNAcを有するO-グリカンを生合成する糖転移酵素ヒトα4GnTを単離し、その遺伝子欠損マウスであるA4gnt欠損マウスを作製した。全ての変異マウスで胃の幽門部に分化型腺癌が発症したことから、αGlcNAcは分化型腺癌の抑制因子と考えられたが、その詳細な機構は不明である。A4gnt欠損マウスは、3週齢で胃の幽門部が過形成を引き起こすため、発癌機構解明のためには、胎児期の胃の解析が必要であると考えた。野生型マウス胎児期におけるα4GnTおよび関連分子の発現および局在を明らかにし、A4gnt欠損マウスでの結果と比較することで、発癌との因果関係を検討した。
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