層状LixVS2系はLi量に応じて低温で多彩な電子相が現れる。これらの電子相への相転移は"量体化"と呼ばれる分子クラスターの形成を伴っており、構造相転移と同時に巨大な熱量変化を引き起こす。本研究では、このLixVS2系材料をLiイオン電池の正極材として用い、相転移線を"横に切る"ことによって電池反応を用いて巨大な熱量変化を得ることを目指した。また、LixVS2系で現れる多彩な電子相を量体化物理と巨大熱量変化材料開発という観点から物質・物性探索を行った。冷凍材料として利用可能な巨大な熱量変化を観測するには至らなかったが、巨大な熱量変化を生み出す電子相を開発し、材料について特許を取得した。
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