HGFシグナル伝達は子宮内膜腺癌の浸潤性や増殖活性の増強に関わるとされている。本研究からUSP15はHGFシグナル伝達経路を促進することがわかったため、子宮内膜腺癌の治療としてUSP15を標的とする抗癌戦略の根拠の1つとなり得る。 子宮や卵巣における脂質蓄積の意義については不明な点が多いが、USP15欠損マウスでは黄体組織がやや萎縮性であったことから、USP15が脂質代謝を通して生殖周期の恒常性の維持に関与している可能性が推測された。脂質代謝異常は不妊の原因の1つとして知られており、生殖器の恒常性と脂質代謝の関連性を調べることは重要であり、本研究はその一端を担うものと考えられた。
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