今年度は、研究目的のうち、(1)全国的な移住動向を把握するために移住者フェアでの地域おこし協力隊や移住者獲得のための各自治体の特性に関する調査、(2)石鎚山系周辺の若者移住者(起業志向)の実態に関する調査と引き続き(3)長野県の移住促進事業に関する現地調査を実施した。(1)都内及び大阪で開催された2大移住フェアに出席し、各自治体の移住に関する支援事業(転居、住宅、就業、医療福祉等)、及び各自治体が提示する移住ロールモデルの特性、募集する地域おこし協力隊の特性について、資料を収集し、その特性を類型化した。(2)引き続き今治市離島部の地域おこし協力隊に関するライフヒストリーの整理収集調査を継続した。また、石鎚山系のうち、大川村、いの町、西条市に移住した地域おこし協力隊の移住経緯や現在の活動状況、今後の活動展開、起業に関する展望等を調査した。とくに西条市の地域おこし協力隊はネクストコモンズラボと連携した起業型の隊員であり、卒業以降それぞれの目指す起業プランの特性についても合わせて調査を実施した。(3)昨年度に引き続き、長野県77自治体における移住促進事業と地域おこし協力隊募集、移住促進住宅、短期移住体験(お試し移住)、空き家ポータルサイトの運営、移住紹介パンフレット・プロモーション活動、移住セミナー・説明会の開催等の実施状況について現地調査を実施した。上記の成果の一部については、日本地理学会秋季学術大会にて報告した。
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