研究実績の概要 |
デンマークのエリートスポーツ政策に関する調査の一環で行った,中央・地方競技団体,自治体,学校が連携する学生アスリート支援策に関する調査結果を,日比野幹生, & 束原文郎. (2020). デンマークのエリートスポーツ政策の特性. オリンピックスポーツ文化研究, 5, 131-148.にまとめた.デンマークでは,「学生アスリート」として認定を受けるのも,本人による中央スポーツ統括機関や地方自治体の教育委員会への申請がベースになる.本人の申請に基づき,学生アスリートとしての認定を受け,その認定に基づいて,教育現場では一般の生徒・学生と同様の教育内容を享受できるよう融通する. また,戦前日本の大学で教育を受け満洲に渡った2人のラガーマンについて,束原文郎. (2020). 大学ラグビー界の聖人:星名秦. In 高嶋航 & 金誠 (Eds.), 帝国日本と越境するアスリート (1st ed., p. pp.97-105). アジアラグビー『永遠の一三番』:柯子彰. In 高嶋航 & 金誠 (Eds.), 帝国日本と越境するアスリート (1st ed., p. pp.226-234). 塙書房.にまとめた.戦後,星名秦は日本の大学ラグビー,柯子彰は台湾を中心にアジアラグビーの普及に尽力した. 2010年代に入ってからの学生アスリートの顕著な増加は,少子化に喘ぐ中小私大の生き残り(学生確保)戦略の帰結として,スポーツ推薦学生の急増を反映した現象であることを指摘し,そのスポーツ推薦学生の実態を学業成績と競技成績の観点から記述的に分析した.スポーツ推薦学生が学業と競技の双方から疎外されている可能性に警鐘を鳴らした.束原文郎. (2021). “スポーツ推薦体育会系”の実像―― “一般受験体育会系”との比較から. 体育の科学, 71(2), 93-102.
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