研究実績の概要 |
主な研究実績として、第一に、米国のJohns Hopkins University School of Medicine(JHMI)のの技術的支援のもと、ヒト脳で開発された最先端の画像位置合わせアルゴリズム(LDDMM)により、ヒトと非ヒト霊長類の脳構造MRIを同一の座標空間上で、重ね合わせることで、進化的変化に伴う脳構造の変化率から脳進化マップを構築する計算技術を開発した(Sakai et al., preparing)。第二に、構築した脳進化マップから、サルからヒトへの進化過程で、島、視床下部、帯状回、脳梁、皮質下構造の構造はほとんど変化しないが、前頭葉、頭頂葉など高次認知機能を司る脳領域の構造がヒトにおいてのみ拡大することを見出した(Sakai et al., preparing)。第三に、日本モンキーセンターが所有する霊長類脳標本コレクションの中から、8種類の脳標本を選定し、9.4テスラの高磁場MRI装置により、構造画像と拡散強調画像を撮像し、これらのデータを集約することで、日本モンキーセンター霊長類脳画像リポジトリ(http://www.j-monkey.jp/BIR/index_e.html)を更新した (2019年5月時点:合計20種28個体の脳画像収集)(Neuroimage, invited paper, preparing)。特筆すべき研究実績として、2019年秋にロンドンで開催された霊長類脳MRI国際連携コンソーシアム(PRIMatE Data Exchange, PRIME-DE)のワークショップに参加した。(PRIME-DE, Neuron, 2020)。また、Oxford University が主催するセミナーにて霊長類の種間比較脳イメージング研究について招待講演も行った。その他の研究実績として、招待講演2題、国内会議における発表2件も行った。
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