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2021 年度 実施状況報告書

リモートセンシング・データを用いた国際協力事業の地理空間インパクト評価

研究課題

研究課題/領域番号 17K18109
研究機関上智大学

研究代表者

倉田 正充  上智大学, 経済学部, 准教授 (30757050)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード国際協力 / インパクト評価 / リモートセンシング / 人工衛星 / 地理情報システム(GIS)
研究実績の概要

本年度は主に以下の3つの研究を進めた。第一に、バングラデシュにおける新型コロナウイルスの感染拡大が稲作の作付・収穫量に与えた影響について、人工衛星データを用いて分析した。これは昨年度から継続して行っている分析であるが、同国ではさらに2021年の4月及び7月~8月、2022年1月~2月にかけて複数回の感染拡大が生じたことから、最新のデータにアップデートして再分析を行っている。分析の結果、新型コロナウイルスによる稲作への負の影響は確認されておらず、危惧されていたフードセキュリティ上の問題は少なくとも生産面では限定的であったと考えられる。
第二に、日本が1990年代からODAとして開始したインドにおける植林・森林保全事業の影響分析を行った。同国では日本と世界銀行が中心となって森林セクターの支援を行っており、これまで支援対象となった地域の地理情報データベースを過去の全事業の報告書等から作成した。これに基づき、人工衛星データから測定された森林被覆率をアウトカムとしたインパクト評価を行っている。分析の結果、日本及び世界銀行のODA事業は長期的に森林被覆率を高める影響があったことが確認された。
第三の研究はバングラデシュにおける交通インフラ事業、特に橋梁建設事業の評価分析である。この分析については現地調査による情報収集を検討していたが、新型コロナウイルスの影響により渡航を中止したため、代替的に高解像度の衛星データを利用するなどして分析を行う準備を行ってきた。しかし同事業の時期や地域を適切にカバーする衛星データを探すのが困難であり、分析対象とする事業を再検討中である。
以上の研究のほか、地理空間インパクト評価に関するマニュアル及び教材を継続して作成中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスの影響により中止とした現地調査を補う形で高解像度の衛星データを購入する予定であったが、適切な時期と地域をカバーできるデータの取得に時間を要している。

今後の研究の推進方策

上記の研究をワーキングペーパーとしてまとめると共に学術誌に投稿する。またインフラ事業のインパクト評価については高解像度の衛星データを取得して分析を行う。地理空間インパクト評価に関する教材についてはウェブサイト上で一般公開する。

次年度使用額が生じた理由

本年度を通して、新型コロナウイルスの感染状況に基づき現地調査の実施可能性について検討しつつ、その代替策(人工衛星データの購入等)も準備を進めてきた。結果として感染状況は悪化したため現地調査は中止したが、代替策についても有効なデータの取得が困難であった。よって研究費を次年度に繰り越すとともに、データが取得可能な事業に分析対象を変更することで対応する。

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公開日: 2022-12-28  

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