本研究は、網膜疾患による脳視覚路変化を拡散強調画像(dMRI)とトラクトグラフィーを用いて定量的に評価することが目的であった。研究開始時は、網膜神経節細胞(RGC)が選択的に障害される緑内障が脳の構造変化を来す代表疾患であった。我々は、第一次ニューロンの視細胞障害疾患でも脳構造変化が検出されることを加齢黄斑変性や網膜色素変性など複数の疾患で報告してきた。また、ここでいう脳の構造変化とは当初dMRIを用いた水拡散情報の変化情報のみであったが、NODDIや量的MRIなどの新しい測定方法を追加することで、脳微小組織の構造変化をより詳細に理解し、検出することが可能となった。
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