ペルオキシソームの個体における重要性は先天性ペルオキシソーム形成異常症の患者やそのモデル生物を用いた研究などから理解が進みつつあるが、正常な個体における動態やその意義については未知な部分が多く残されている。本研究でオリゴデンドロサイトの分化過程において、ペルオキシソームはヘテロな集団として増加することが観察された。ペルオキシソームの機能が生物種や細胞種間で異なることは明らかとされているが、本研究の結果は単一細胞内でも異なることを示唆している。今後はその機能の違いも明らかにすることにより、ペルオキシソーム生合成の生理的意義やオリゴデンドロサイト分化機構の解明に貢献することが期待される。
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