高濃度酸素投与は、新生児肺障害を治療するのにしばしば用いられるが、長い期間の高濃度酸素投与は新生児慢性肺疾患のリスクを増加させる。一方で、細胞には過度の酸化ストレスから保護するための抗酸化システムがあり、TRXは抗酸化物質の中に含まれる。成獣の肺障害マウスモデルについてのTRXの防御効果は、すでに多く報告されている。我々は今回の研究でTRXが新生仔マウスの高濃度酸素性肺障害に対しても防御効果があることを示した。その防御効果の一因は、TRXが炎症性マーカーであるIL-6 、MCP-1、CXCL2の肺内mRNA発現を有意に減少させ、マクロファージの遊走を阻害するためと考えられた。
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