近代的な教育システムが19世紀初頭に環大西洋圏で確立するなかで新たな女性性が定着していった過程を明らかにすることを目的とした本研究では、アメリカの女子学校における教育理念の変遷を検討し、アメリカの女子教育に対する英国の教育の影響について考察した。特にエマ・ウィラードらによる女子学校について建国期の学校と比較し、より家庭との繋がりを強調し良き母を育成するための教育という側面が強いことを明らかにした。また英国のランカスター式教育のアメリカへの受容について検討し、19世紀アメリカにおける女子教育の普及に対する英国の教授法の影響が明らかになった。
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