これまで,腰痛の原因究明は多方面から行われてきたが,腰曲がりの腰痛者に生じている腰痛の原因究明はほとんどされてこなかった.90年代後半に脊柱管狭窄症の一症状である間欠性破行に腰背部筋の血流循環が関与するとの報告がされた程度であった.腰曲がりの腰痛患者に対する運動療法を実施する中で,改めて腰背部筋の筋血流の改善が症状軽減に影響するのではないかとの印象を経験し,それを明らかにしたのが本研究となる. 全ての腰曲がり患者に対して腰痛軽減を確認することはできなかったが,対象とした7割に腰痛だけでなく痺れ症状も軽減することができ,腰痛治療の発展に大きく寄与できる結果が得られたと考えている.
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