外来化学療法を受ける高齢進行肺癌患者に対する栄養障害評価プログラムの開発

2017 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 17K18274
• 研究機関: 武庫川女子大学
• 研究代表者: 南 裕美 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (90779240)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 看護学 / 高齢者 / 肺癌 / 栄養障害

研究実績の概要

本研究の目的は、本研究の目的は、外来化学療法を受ける高齢進行肺癌患者の治療前後にわたる栄養状態の変化と関連要因、および栄養に関連する生活行動について調査し、治療前評価としての栄養障害スクリーニングプログラム開発に向けた基礎データを得ることである。
平成29年度は、調査を円滑に行うための調整、測定用機器の安全な使用のための試用等、調査実施にむけた準備を行った。具体的には、調査実施施設のスタッフとともに以下について検討を進めた。まず、本研究の対象者は癌化学療法を受けている外来通院中の患者であるため、調査当日の他患者の診療状況によって対象者のスケジュールが左右されることも考えられる。対象者の診療と並行して調査を円滑にかつ漏れなく行うために、診療に携わる医師、調査実施場所の管理者である看護師長、及び実際の調査に協力を得る看護師を交え、実際の調査スケジュールを踏まえたシミュレーションを行った。また、対象者にはがん化学療法の副作用や食事摂取状況等に関して日記形式での記録を依頼する。対象者が記載漏れなく、またなるべく負担なく記載できるような形式とするため、記録様式に関する検討を行った。加えて、本研究ではデータとして骨格筋量、体重を測定する際に、対象者は測定器具の上で立位を保持する必要がある。高齢者である対象者が身体計測を行う際の安全確保は必須であり、そのための機材の配置の検討、人員配置の計画等の準備を行った。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の当初の予定では、初年度内に調査を介する予定としていた。しかし、研究代表者の所属施設、および研究実施施設の都合により、倫理審査の承諾を得るための期間が予定より長期化し、データ収集の開始は次年度となった。

今後の研究の推進方策

昨年度データ収集を開始できなかったため、今年度は速やかにデータ収集を開始する。
加えて、得られた結果をもとに、対象者の治療前の栄養状態とその関連要因、及び治療中の栄養状態と有害事象の関連についての分析作業を進め、対象者の栄養評価プログラムの立案に向けた基礎データを得る。

次年度使用額が生じた理由

当該年度にデータ収集を行う予定であったが、年度内のデータ収集開始に至らなかったため、データ収集のために必要であった物品費の余剰が生じた。今年度はデータ収集および分析作業を速やかに進めるために余剰額を使用する予定である。