本研究の目的は、外来化学療法を受ける高齢進行肺癌患者において、栄養評価の側面からみた副作用出現および治療状況に関連する危険因子を同定し栄養障害評価プログラム開発の基礎データを得ることである。 調査を行った8例中6例は治療開始時点でがん悪液質の状態であった。治療完遂例と比較し、治療に影響する副作用出現や治療開始早期で病状進行が見られた治療困難例では、骨格筋減少、がん悪液質の存在、がんに伴う症状や悪液質を助長する併存症の存在、患者の個別性に応じた食生活支援の不在が重複していた。これらの状況の重複症例に対しては、治療に影響を及ぼす副作用出現や早期の病状悪化を来す危険性を想定した重点支援が必要と考える。
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