研究課題/領域番号 |
17K18343
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
経済政策
環境政策・環境社会システム
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
横尾 英史 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 主任研究員 (80583327)
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研究協力者 |
Nguyen Ngoc Mai Hanoi Foreign Trade University
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 社会的比較 / 社会的選好 / 不平等回避選好 / 環境配慮行動 / ごみ分別行動 / 発展途上国 / ランダム化フィールド実験 |
研究成果の概要 |
途上国における環境公共財の私的供給と社会的選好の関係についてランダム化実験のデータを分析して検証した。ハノイ市の家庭を対象とした不平等回避選好の有無と資源ごみ分別行動に関する調査結果を用いた。これら世帯は無作為に3群に分けられており、そのうち1群には社会的比較の情報が提供されていた。データ分析の結果、不平等回避的な個人が社会的比較の情報を受けるとより分別するが、回避的でない個人にはその効果がないことがわかった。さらに、不平等回避選好がある個人の公共財私的供給の理論モデルの開発を行った。先行研究では公共財と私的財の限界代替率が一定であった点を拡張し、限界代替率が可変な場合も扱えるものとした。
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自由記述の分野 |
環境経済学、開発経済学、行動経済学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アジア新興国においてごみの適正な廃棄や分別などの環境配慮行動を促進する政策手段は限られる。その中で、社会的比較の情報提供には可能性があると考えられている。しかし、その効果の検証例は少なく、またメカニズムも明らかとなっていなかった。本研究の結果、ベトナム都市部において社会的比較の情報提供が持つ効果の可能性と限界の両方が確認された。これがランダム化フィールド実験の手法を用いて検証された点において、内的妥当性の高い結果といえる。これにより社会的比較の情報提供が効果を持ちうるメカニズムの一端が明らかになったといえる。加えて、これら結果をミクロ経済学理論的に整理・拡張した点にも学術的意義がある。
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