研究課題
若手研究(B)
多種多様な化学物質によるミジンコへの複合影響メカニズムを解明するため、金属、医薬品、農薬等からニセネコゼミジンコ繁殖影響試験において相乗作用を示す化学物質の組み合わせを明らかにした。このうち、医薬品のデキサメタゾンとエリスロマイシン、農薬のシハロトリンとPBOの組み合わせについて次世代シーケンシングによる遺伝子発現解析を行い、前者の混合曝露時に抗酸化作用に関わる遺伝子の発現抑制などが生じていることが分かった。
生態毒性学
ミジンコの慢性影響に対し相乗作用を示す曝露条件下で遺伝子発現解析を実施した例はほとんどなく、今後解析を進めることで相乗作用に特異的なシグナル伝達経路や、ミジンコに対する医薬品等の作用機序の解明につながる新たな知見が得られると考えられる。また、本研究で相乗作用を示した化学物質の組み合わせから、類似作用を持つ化学物質群の複合影響を優先的に評価するなど、化学物質評価・管理対策への貢献も期待される。