研究課題
若手研究(B)
本研究は、姿勢反応の調節に貢献する外乱予測時の脳活動の変調を明らかにすることを目的とした。脳波計測による検討の結果、外乱発生のタイミング情報を付与することで、運動感覚野の異なる周波数帯で準備活動が生じることがわかった。同時に、位相同期解析により同領域において大域的な同期が上昇することが観察された。これらの結果は、予測情報に基づき中枢神経系が短時間のうちに脳領域間の連結を変容し、外乱に対する応答性を事前調節していることを示唆している。研究期間において、関連する研究成果が2本の国際誌に掲載された。
身体運動科学
近年、姿勢制御という無意識に実行される系においても、脳が極めて重要な役割を果たしていることが明らかとなっている。本研究では、局所的な神経経路の応答性を変調することが報告されている外乱予測について、より大域的な脳活動に対する影響を検討した。本研究の成果は、ヒト姿勢制御の神経機序に関する新たな学術的知見を提供するとともに、高次の神経活動と立位安定性の関係に迫る基礎研究としての意義を持つと考えられる。
