これまで長寿命性記憶型Th17細胞は報告がなかった。一方で、本研究はLung TRM17の感染防御作用や分化機構を解明し、これまでにない重要な知見を発信した。この研究を契機に、新しいワクチン抗原の開発にも成功し (PLOS ONE, 2019)、新規経鼻ワクチンの開発に繋がった。この経鼻ワクチンは、樹状細胞の養子移入に頼らずに、肺常在性記憶型T細胞を誘導することができ、第一世代のDCワクチンよりも強力に感染を抑制できる。この特徴は、肺常在性記憶型T細胞の研究ツールとして、より簡便に利用できることを意味しており、臨床応用可能な実践的なワクチンとしての性能も兼ね備えていることを意味している。
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