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2021 年度 実施状況報告書

シーア派イスラームの聖廟・墓地の形成と発展:法理論と地理空間情報による総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K18456
研究機関東京大学

研究代表者

守川 知子  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (00431297)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2023-03-31
キーワード墓 / シーア派 / 死生観 / イスラーム / 都市 / 地理空間情報 / 聖者廟 / 移葬
研究実績の概要

本年度も昨年度に引き続き、新型コロナウイルス(Covid-19)感染症の世界的な流行のため、イランで予定していた現地調査、および歴史的なムスリム墓地を主たるテーマとした墓地の国際研究集会を開催することができなかった。
本研究課題の成果の一部としては、以下の3本の論文が挙げられる。まず、①「隔離される巡礼者たち:シーア派聖地巡礼と検疫制度の近代」(特集:感染症と人間の移動)(『歴史学研究』1011、26-37頁)では、世界最大規模の墓地を擁するイラクのイマーム廟に埋葬される数千もの遺体の運搬(移葬)・管理について考察した。②「聖都アルダビールとサファヴィー朝下のサフィー廟」(『アジア・アフリカ言語文化研究 別冊』1、213 -230頁)では、サファヴィー朝期のサフィー・アッディーン廟(アルダビール)について、マシュハドのイマーム・レザー廟との比較を交えながら、聖者廟の建造物配置(聖者の墓、教団の修道場・集会所等、および墓地)について具体的に検討し、聖者廟の“社会的”役割と、都市空間構造内での特性について検討を行った。③「イスファハーンの歴史的墓地にみる都市と墓地の空間構造」(新学術領域研究『都市文明の本質:古代西アジアにおける都市の発生と変容の学際研究4』、205-216頁)では、これまで検討してきたイスファーンの20余りの墓地について、主に、19世紀後半の地誌情報と20世紀初頭のイスファハーン市街図を用いて、都市空間の中で墓地がどのように変遷したかを詳述し、都市の周辺(=市壁の外側)に配される一般墓地と都市域との関係、および墓地の中で聖者廟が果たす役割や異教徒墓地について試論を提示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症のために、海外調査が行えず、また一昨年度から予定していた国際研究集会が開催できていないことにより、様々な地域・社会の墓地研究との比較検討や意見交換ができなかったため。

今後の研究の推進方策

海外の墓地研究の専門家を交えた国際研究集会の開催を目指すが、困難な場合には、それぞれ特徴ある史資料の残るイスファハーン、シーラーズ、アルダビールの3つの都市に対象を絞り、都市と、聖者廟・墓地・街区の関係を分析・検討し、成果刊行物として取りまとめを行う。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症のため、海外渡航および海外の研究者を招聘した国際研究集会が開催できなかったため。
次年度の使用計画としては、新たな分野開拓である本研究課題の完遂のためには、専門家らと意見交換を行う国際研究集会が必要不可欠であることから、当初の予定よりは規模を縮小して開催する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 聖都アルダビールとサファヴィー朝下のサフィー廟2022

    • 著者名/発表者名
      守川 知子、モリカワ トモコ、MORIKAWA Tomoko
    • 雑誌名

      アジア・アフリカ言語文化研究 別冊(Journal of Asian and African Studies, Supplement)

      巻: 1 ページ: 213~230

    • DOI

      10.15026/117350

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] イスファハーンの歴史的墓地にみる都市と墓地の空間構造2022

    • 著者名/発表者名
      守川 知子、モリカワ トモコ、MORIKAWA Tomoko
    • 雑誌名

      新学術領域研究『都市文明の本質:古代西アジアにおける都市の発生と変容の学際研究4』研究成果報告2021年度

      巻: 4 ページ: 205-216

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 隔離される巡礼者たち:シーア派聖地巡礼と検疫制度の近代2021

    • 著者名/発表者名
      守川 知子、モリカワ トモコ、MORIKAWA Tomoko
    • 雑誌名

      歴史学研究

      巻: 1011 ページ: 26-37

    • 査読あり
  • [学会発表] An Armenian Merchant Family from New Julfa in Isfahan under the Safavid Empire: A Case Study of the Valijanian Family2021

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Morikawa
    • 学会等名
      65th International Conference of Eastern Studies
    • 国際学会
  • [学会発表] Non-Muslim Minorities and a Shi’ite Empire: Armenians and Jews in Safavid Persia2021

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Morikawa
    • 学会等名
      Sixth European Congress on World and Global History: Minorities, Cultures of Integration, and Patterns of Exclusion
    • 国際学会
  • [図書] 社会経済史学事典2021

    • 著者名/発表者名
      社会経済史学会、馬場 哲、守川知子(分担執筆:巡礼と門前町)
    • 総ページ数
      746
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      978-4-621-30602-4

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公開日: 2022-12-28  

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