歴史的墓地の残るイランのシーラーズ市とイスファハーン市で、墓地や聖者廟を重点的に調査するとともに、調査の過程で閲覧することのできた個人蔵の「新出」史料および市街図や歴史史料などを用いて、都市空間構造内の墓地と聖者廟について検討した。その結果、都市域の発展と、墓地および聖者廟との立地の間には密接不可分な関連があり、元来は街区や集落の“外”にあった墓地兼聖者廟が、都市化に伴い、聖者廟のみは居住地の中に残り続ける一方、附設していた一般信徒のための墓地は消失することが明らかとなった。この間の研究成果や得られた新たな知見は、6本の学術論文として発表し、2023年3月開催の国際研究集会で報告した。
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